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世界で拡大する太陽光発電

 日本は、20世紀後半から太陽光発電の技術において世界をリードし、1990年後半には累積導入量や生産量において世界1位となりました。しかし、いまや太陽光発電は日本のみならず、アメリカやヨーロッパをはじめ世界中に拡大しています。その背景には原油価格の高騰、資源問題、温暖化による環境破壊などの問題があるため、太陽光発電システムの導入は、先進国のみではなく途上国にも広がっています。
 太陽光発電システムの普及のために、各国で助成金などのインセンティブが設けられました。国によってその額や仕組みは異なるものの、システムの普及に大きく貢献しています。特にドイツでは、後述するフィード・イン・タリフ制度により太陽光発電システムの導入は急激に拡大し、2005年には日本を追い抜き、累積導入量が世界1位になりました。
 その後も世界中でシステムの導入は進み、2007年には世界の太陽光発電システムの年間導入量が220万kWとなりました。

フィード・イン・タリフ

 環境先進国であるドイツには、再生エネルギー法により、太陽光発電によって発電した電気を、通常の電力の約3倍の価格で電力会社が買い取る「フィード・イン・タリフ」(FIT)という制度があります。その結果、一時は太陽電池の製造に必要なシリコン原料が不足する事態にまで及びました。さらにこの制度は、ドイツのみならずヨーロッパ諸国やアジアなどへも広がっています。