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高純度シリコンの増産

 太陽電池市場の拡大が明確になったことで、太陽電池による高純度シリコンの市場拡大が予想された。その需要拡大による価格高騰で高純度シリコンへの設備投資環境が好転し、既存の半導体用シリコンメーカーを中心に多くの企業が太陽電池用高純度シリコン製造のため、整備増強や新規事業参入に着手しています。その後、各メーカーはシーメンス法を中心に太陽電池用シリコンの増産計画を進め、シリコン不足が解消されました。
 しかし、これによって一気に供給過剰に陥ったため、各メーカーでの価格競争へと突入しました。その結果、高純度シリコン産業の産業構造は変化し、メインとする市場が半導体から太陽電池へとシフトしていきました。その後もヨーロッパや中国を中心に多数の新規企業が参入しており、太陽電池用シリコンの生産が開始されています。それらの多くは実績あるシーメンス法を利用していますが、品質面では太陽電池用に特化した生産をメインとしています。他にも、冶金法など太陽電池用に開発された新しい低コスト製造技術を用いて事業参入を進めている企業もあります。これらの新技術には生産体制の確立や品質確保などの課題は多いがシリコン原料のコスト低下には重要な取り組みといえます。

今後のシリコン生産

 シリコン原料の増産によって供給不足は解消されましたが、今後の太陽電池の発展には電池のさらなる価格低減が必要であり、そのためにはやはりシリコン原料の価格低下が求められます。つまり、シリコン原料の増産のみでは全ての問題を解決したとはいえず、今後は高純度シリコンの製造過程で、生産性向上などによるコストダウンを図るための技術改善や、冶金法などの安価な太陽電池用シリコン生産技術の開発を進めていくことが重要だとされいます。