HOMEソーラー電池 > HIT太陽電池

HIT太陽電池

 HIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)太陽電池は、単結晶シリコン電池の要素とアモルファスシリコン電池の要素を兼ね備えたハイブリッド太陽電池です。1990年代、三洋電機はさらなる高効率化を目指し、薄膜シリコン太陽電池、結晶シリコン太陽電池の開発を経てこのハイブリット太陽電池の開発へとシフトしていきました。
 HIT太陽電池は良好なヘテロ接合により高い電圧を得ることによって変換効率の向上を実現しています。製法は、n型シリコン層にプラズマCVDでi型,p型のアモルファスシリコン層を形成させるというものです。
 また、HIT太陽電池のメリットは温度特性にあり、通常のシリコン太陽電池の場合は温度が上昇することによって変換効率が下がるという欠点を持ちますが、HIT太陽電池は温度が上がっても変換効率の低下はわずかです。そのため、高温となる夏場でも十分な変換効率が期待できます。

HIT太陽電池への期待

 HIT太陽電池は、ウェハを中心に表裏対象な構造によって両面発電を可能とするなど、他にはない特徴も実現しています。この特徴を利用して、表裏で違う方角に向けて設置したり、通常設置で反射光を利用した裏面の発電も期待できます。
 原料とするシリコンの使用量も少ないため、製造時に発生する有毒物資を抑え、環境への負担も少ないというメリットも持ちます。
 今後もHIT太陽電池は構造的特徴を活かした開発によってさまざまな展開が期待できます。