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結晶シリコン太陽電池

 現在の太陽電池生産量のうち9割近くを占める結晶シリコン太陽電池は、単結晶と多結晶に分類されます。1954年にベル研究所で開発されたものは単結晶シリコン太陽電池で、古い歴史と実績を持っています。
 単結晶シリコン太陽電池は、シリコンを溶かした炉に結晶シリコンを入れて成長させたものを使用します。単結晶はその名の通りひとつの結晶であるため、シリコン原子がすべて同一の構造となっています。そのために変換効率が高いというメリットを持っていますが、価格が高いという欠点があります。
 多結晶シリコン太陽電池は、一般の半導体製造の過程で出たシリコンの端材や、不良品を使って製造します。多結晶であるために単結晶と比べ変換効率は高くありませんが、価格が安いというメリットを持っています。そのために太陽光発電に使用される太陽電池の中で最も多く使用されています。
 これらの結晶シリコン太陽電池の原料には、一般の半導体グレードほどの高純度シリコンは必要なく、現在では純度を少し低くした安価な太陽電池専用(ソーラーグレード)のシリコン結晶が使用されています。

結晶シリコン電池の課題

 結晶シリコン電池は、高性能・信頼性・安全性・原料の豊富さなど多くの利点を持っています。しかし、太陽光発電のさらなる普及拡大を目指す上では発電コストの低減が求められており、結晶シリコン太陽電池の研究開発も、太陽光発電の発電コスト低減を目的としています。特に原料のシリコンが高価であるため、発電コストの低下にはこれらの安価供給が重要とされます。また、太陽光発電の急速な普及によって原料となるシリコンの不足が課題にもなりました。これらについては後の章で解説します。